スマホやタブレットを使って店舗にクレジットカード決済が導入できるモバイル決済(スマホ決済)は、初期費用をかけずに、簡単に導入できるメリットがあります。
機能面も充実しており、POSレジアプリや、クラウド会計ソフトと連携できるなど、業務効率化のメリットもあります。
そこで、今回は、モバイル決済と連携できる人気のPOSレジアプリを比較してご紹介します。
POSレジアプリは無料で使えるものと有料のものがある
スマホやタブレットがPOSレジ代わりになるPOSレジアプリは、無料のものから有料のものまで、多くの種類があります。
POSレジアプリの特徴
- 低コスト
- 簡単に導入できる
- 省スペース
- 持ち運べる
- 高機能
- 他のサービス(会計ソフト・クレカ決済など)と連携できる
- どこからでもデータの確認ができる(クラウドにデータ保管)
POSレジアプリでできること
主な機能
- 入出金管理
- 売上分析
- 商品管理
- 顧客管理
SquareやAirレジは、無料で以上のような機能を使うことができます。
スマレジやユビレジは、無料版は基本的なレジ機能のみで、有料プランで商品管理や顧客管理ができるようになっています。
付属品は別途購入が必要
POSレジアプリを使う際、
- タブレット
- レシートプリンター
- キャッシュドロワー(金庫)
は別売りです。
業種や業務形態によっては、バーコードスキャナなども必要です。
モバイル決済POSレジ対応一覧
主要モバイル決済4社のPOSレジアプリ連携状況を一覧にしてみました。
すでにPOSレジアプリを使っていて、クレジットカード決済の導入を検討している場合は、どのモバイル決済と連携できるか?という点も、モバイル決済を選ぶポイントになります。
(モバイル決済を利用する場合は、別途、申込が必要です)
無料で使える、または無料コースがあるPOSレジアプリと、有料のPOSレジアプリと、それぞれ一覧表にまとめているので参考にしてください。
【無料で使える】POSレジとモバイル決済の連携
連携状況 | モバイル決済 | ||||
POSレジアプリ | Square | AirPAY ![]() | STORES 決済 | おてがるPay | 楽天ペイ |
SquarePOSレジ | 〇 | ||||
〇 | 〇 | ||||
スマレジ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
Ubiregi(ユビレジ)* | (〇) | (〇) | (〇) | (〇) | |
Loyverse POS | 〇 |
このうち、Androidで使えるのは、SquarePOSレジとLoyverse POSです。
ただし、Loyverse POSは、コイニーと連携できるのは現在i-OSのみで、Androidは連携することはできません(Android版は今後対応予定)。
iPadは、いずれにも対応しています。
*ユビレジは、無料で使えるお試しプランがありますが、お試しプランは機能がかなり制限されているので、長期的に使うには適していません。有料プランを使う前に一時的に使うプランと考えてください。
【有料プランのみのPOSレジ】モバイル決済との連携
連携状況 | モバイル決済 | ||||
POSレジアプリ | Square | AirPAY ![]() | STORES 決済 | おてがるPay | 楽天ペイ |
Bionly | 〇 | 〇 | 〇 | ||
poscube | 〇 | 〇 | 〇 | ||
Orange Operation | 〇 | 〇 | 〇 | ||
POS+ | 〇 | 〇 | |||
MAIDO POS | 〇 | ||||
NEXPO | 〇 | ||||
Okageレジ | 〇 |
このうち、Androidで使えるのは、poscubeとOrange OperationとPOS+とMAIDO POSです。
Bionlyは、美容室・サロン専門のPOSレジです。
MAIDO POSは、飲食店専用のPOSレジです。
STORES 決済 は、多くの有料POSレジに対応しています。 STORES 決済 のサイトに、各POSレジの詳しい比較表が掲載されています。
モバイル決済サービスの比較表はこちら
人気の主要POSレジアプリ比較と解説
POSレジアプリも、モバイル決済も、どちらもこれから導入したいという方は、先に使うPOSレジを決めて、連携できるモバイル決済を選ぶという方法もあります。
POSレジアプリは、とても種類が多く、ここですべてを紹介することはできませんが、無料プランのある代表的なサービスを厳選すると次の4つになります。
POSレジアプリによって対応OSが異なるので、はじめに確認しておきましょう。
POSレジアプリ比較表
比較項目 | POSレジアプリ | |||
SquarePOSレジ | Airレジ | スマレジ | Ubiregi(ユビレジ) | |
料金プラン | 無料 | 無料 | 無料~
有料プランあり | 無料~
有料プランあり |
対応OS | iOS端末・Android | iOS端末 | iOS端末 | iPadのみ |
連携できる会計サービス | freee マネーフォワード | freee マネーフォワード 弥生 FX | 有料プランのみ連携可
freee マネーフォワード 弥生 FX | 有料プランのみ連携可
freee マネーフォワード 弥生 FX |
参考までに、クラウド会計ソフトのシェアは、2020年4月の調査では、「弥生(やよい)」が56.7%、次いで「freee(フリー)」が21.1%「マネーフォワード」16.8%、となっています。
(出展:MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2020年4月)」)
半数以上が「弥生(やよい)」を利用、安定したシェアです。
筆者もやよいを利用していますが、使いやすく、特に問題を感じることはありません。
操作が分からない時も、ネットに対応策が載っていることが多いので助かります。
しかし、弥生のシェアがこれだけあるのに、SquarePOSレジは弥生と連携ができないのが残念です。
SquareもAirレジも、無料で多機能なのですが、会計ソフトとの連携という点では、Airレジの方が勝っていると言えます。
会計ソフトの詳細は、各公式サイトをご確認ください。
主要POSレジ解説
SquarePOSレジ~世界中の200万以上の事業者が使用
モバイル決済のSquareが提供する無料のPOSレジアプリ。
本社はアメリカですが、日本でも、モバイル決済の広まりとともに、SquarePOSレジの利用者も増えています。
iOSとAndroidのどちらにも対応しているので、手持ちの端末でも利用しやすく、飲食店をはじめ、小売業・美容院・イベントなどにも幅広く使われています。
カード決済だけでなく、現金の受付、売上分析、 在庫管理、商品管理、複数店舗管理などがすべて無料で使える多機能なPOSレジアプリです。
Airレジ~他のアプリとの連携がスムーズ
リクルートライフスタイルが提供する、iOS専用の無料POSレジアプリ。
iPad ・ iPhoneで利用でき、クレジット決済は、AirペイやSquareと連携できます。
現金の受付、売上分析、 在庫管理、商品管理、複数店舗管理、決済・予約管理サービスとの連携などのすべての機能が無料で使えます。
Airシリーズと簡単に連携できるのも魅力です。
Airシリーズ
Airシリーズは、リクルートが提供する、業務支援ソリューションです。
- Airペイ(クレジットカード決済)
- POICHI for Airレジ(複数のポイントサービス導入)
- AirWAIT(順番待ち管理アプリ)
- AirRESERVE(予約管理)
Airレジは、以上のようなアプリとも簡単に連携できます。
スマレジ~事業拡大にもスムーズに対応
シンプルな操作で使いやすい、高機能POSレジアプリ。
機能別に、無料プランを含む5種類の料金プランがあります。無料プランは、会計ソフトとの連携や複数店舗での利用はできませんが、基本的なレジ機能は備わっています。
将来的に店舗数が増えたり事業が拡大して、有料プランの機能が必要になった時に、無料プランからスムーズにプラン変更できるところがメリットで、複数店舗を展開予定の事業者におすすめのレジです。
飲食店、小売店を中心に、アパレル、エステ、美容室、催事等など、小規模店~大規模店まで5万店舗以上で利用されています。
スマレジは、モバイルオーダーやテーブルオーダーといったサービスが、有料ですがオプションでつけられます。
テーブル設置型セルフオーダー、券売機として使えるiPadセルフ会計システムなどとして使うこともできるので、例えば、補助金を使って、レジの無人化や非接触化を考えている方にもおすすめです。
最近はコロナ関係で、使える補助金が出ていることが多いので、補助金の情報もチェックしてみるといいです。
クレジットカード決済は、スマレジとゼウス社が提供するスマレジ・ペイメントの他、楽天ペイ、ペイメントマイスター、Coiney(コイニー)に対応しています。
メモ
クレジットカード決済サービス「スマレジ・ペイメント」とは?
- カード決済手数料3.24%
- iOS端末対応
- 分割・リボ払いに対応(飲食店は一括払のみ)
- JCB、American Express、Diners Club、Discoverを利用する場合は、月額2,000円かかります
スマレジペイメントを利用の際は、別途、申込が必要です。
ユビレジ(ubiregi)~世界初のiPad専用タブレットPOSレジ
ユビレジは、国外を含め様々な業種で使われており、すでに3万店以上に導入実績があるPOSレジアプリです。
iPadに対応したPOSレジアプリで、無料の「お試しプラン」と、「有料プラン」があります。
ただ、ユビレジは、お試しプランは機能がかなり制限されているので、ずっと無料プランを使いたいという人には向いていません。
あくまでも有料プランを導入する前に、試してみるためのプランと思ってください。
ユビレジの有料プランは、連携できるアプリの数も多く、より機能的に使うことができます。
POSシステムによる商品分析で売れ筋・死に筋の把握や複数店舗管理、店舗毎の売上傾向の把握、リピーター獲得のための顧客管理が利用できます。
また、売上共有機能で、多店舗の売上状況がひとつの管理画面で確認できるので、多店舗展開している販売店などにおすすめです。
また、顧客情報も詳しく管理でき、どのくらいのペースで来店しているのかなども確認できます。
POSレジアプリの選び方
対応OSに注意
POSレジアプリは、 iOS端末で使えるもの、Androidでも使えるもの、Windows で使えるものなど、OSの対応状況が異なります。
さきほどご紹介したPOSレジアプリの中では、Androidで使えるのはSquareのみですが、他にも、Androidでも使えるもの、Windowsでも使えるものなど色々なPOSレジアプリがあります。
アプリによって様々なOSに対応
POSレジアプリ名 | 対応OS |
Loyverse POS | iOS ・Android |
POS+(ポスタス) | iOS ・Android |
Orange Operation | iOS ・Android ・Windows ・ Linuxなど |
MAIDO POS | Windouws |
どのOSで利用するのかをあらかじめ考えて、対応しているPOSレジを選ぶ必要があります。
サービスが終了することもある
POSレジアプリは数多くあり、その分、競争が激しく、利用者の伸び悩みが原因でサービスを終了するところもあります。
「有料サービスなら大丈夫だろう」と思いがちですが、そうでもなく、Regi!やラクレジは有料プランでも2018年でサービス終了予定になっています。
サービスが終了になると、他のPOSレジに変更するしかないので、なるべくなら利用者が多い人気のサービスを選んでおく方が無難と言えます。
足りない機能は他のアプリと組み合わせて補うことも
POSレジアプリには、会計・売上管理・在庫管理・顧客管理といった基本的な機能の他、オーダーエントリーや、予約管理、順番管理などが備わっている多機能なものまであります。
有料のものは、それだけ便利な機能がついているものも多いですが、店舗の規模・業種によっては、無料のSquareやAirレジの機能だけでも十分という店舗もあります。
例えば、Squareは無料で使えるPOSレジですが、使いこなせば、オーダーエントリーのシステムも導入できます。
また、すべてをひとつのPOSレジアプリで対応しなくても、足りない機能は、他のアプリと併用してもいいですね。
POS機能がないもので使えそうなアプリをいくつかご紹介します。
順番管理ができるアプリ
- Airウェイト(無料プランあり)
予約管理ができるアプリ
- AirRESERVE(無料)
- RESERVA(レゼルバ)(無料プランあり)
- 「チョイスリザーブ」(有料)
オーダーエントリーシステムアプリ
- スマレジ・ウェイターWAITER(無料プランあり)
勤怠管理アプリ
- スマレジ・タイムカード(無料プランあり)
- タイムレコポンポン(無料)
- kincone(キンコン)(有料)
kincone(キンコン)は有料ですが、無料トライアル期間(当月と翌月)があります。
Suicaなどの交通系ICカードをタッチするだけで、交通費精算ができます。
有料版も200円/1ユーザーと手ごろな価格です。
その他にも、POSレジアプリに足りない機能を補うものとして、シフト管理アプリ・顧客管理アプリなど、様々なアプリがあります。
POSレジアプリは数が多いので迷いますが、「最低限自分が使いたい機能が何か?」を明確にして、使いやすさ、費用の面から絞ってみましょう。
POSレジ導入の無料相談サービス
POSレジは、機能やオペレーションに違いがあるので、実際使ってみないと、自分の店舗にマッチしているかどうかわかりにくいものです。
また、店舗の規模やスタイルなどによっても、店に合うものが変わってきます。
「どのPOSレジにすればいいか決められない、分からない」
という方は、無料でPOSレジ導入の相談ができるサービスがあります。
レジチョイスは、無料POSレジから大型店舗のシステムまで幅広いPOSレジに対応しています。
レジのメーカーではないので、中立的な立場で比較検討でき、無理な押し売りや提案がありません。
POSレジに詳しくないオーナでも、業種や業態、店の要望などを元に提案してもらえます。
最終的には自分で決めればOKなので、レジ選びの参考に、どんなレジが提案されるか、試しに無料相談してみるのもありですね。